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DRP(disaster-recovery-plan)
DRP(災害復旧計画)は、災害や大規模なシステム障害によりITシステムが停止した場合に、それを目標時間内に復旧させるための具体的な手順や体制を定めた計画書です。BCPの一部を構成します。
#セキュリティ#ガバナンス#プロセス#レジリエンス#事業継続計画#ディザスタリカバリ
公開: 2025年9月12日更新: 2025年9月12日
災害復旧計画。BCPという大きな傘の下にある、ITシステムに特化した復旧計画だ。
概要
地震、火災、大規模停電などの災害によって、データセンターやITシステムが壊滅的な被害を受けた場合に、それらをいかにして復旧させるかを定めた具体的な手順書。DRPの焦点は、あくまで「ITインフラの復旧」にある。
BCPとの違い
BCPとDRPの関係は、しばしば混乱を招くが、その違いは明確だ。
- BCP (事業継続計画)
- 目的は「事業の継続」。ITシステムの復旧はその手段の一つに過ぎない。代替手段(手作業など)による業務継続も視野に入れる。主体は経営層を含む全社。
- DRP (災害復旧計画)
- 目的は「ITシステムの復旧」。BCPで定められたRTO/RPOを達成するための技術的な計画。主体は主にIT部門。
レストランに例えるなら、厨房が火事になった時、「厨房設備(コンロ、冷蔵庫など)をどう復旧させるか」を考えるのがDRP。「厨房が使えない間、どうやって顧客に食事を提供し、商売を続けるか(例えば、移動販売車を使う、など)」を考えるのがBCPだ。
DRPの主要な要素
効果的なDRPには、以下のような要素が含まれる。
- DRサイト(バックアップサイト)
- メインサイトが被災した際に、システムを切り替えるための代替拠点。常に同期しているホットサイト、機材の一部を置くウォームサイト、場所だけ確保するコールドサイトなどの種類がある。
- バックアップと復旧手順
- どのバックアップから、どのような手順でデータをリストアし、システムを立ち上げるかという詳細な技術的手順。
- 発動基準と体制
- DRPを発動する条件と、IT部門内の災害復旧チームの役割分担。
- RTO/RPO
- DRPは、BIAで定義された各システムのRTO(目標復旧時間)とRPO(目標復旧時点)を達成できるように設計される。
結論
DRPは、BCPの技術的な裏付けとなる重要な計画だ。事業継続という大きな目標を達成するために、その土台となるITシステムをいかに迅速かつ確実に復旧させるか。そのための具体的な処方箋がDRPだ。BCPとDRPが両輪として機能して初めて、組織は真のレジリエンス(回復力)を持つことができる。